紅海が真っ二つに

2021年05月02日

賛美

七日の歩み

私を赦すために

御翼の陰に

主は道を

聖書 出エジプト14:15〜31

説教 「紅海が真っ二つ」

下道 定身 牧師



みことば

「モーセが手を差し伸べたので、主は夜もすがら強い東風をもって海を退かせ、海を陸地とされ、水は分かれた。イスラエルの人々は海の中のかわいた地を行ったが、水は彼らの右と左に、かきとなった」。(出エジプト14:21)


神は選民イスラエルをエジプトの奴隷から解放するため、10の災いをエジプトに下され最後はエジプト全土に住む長子とその家畜の初子が死んだ。ただし、家の戸口に小羊の血が塗られているイスラエル人の家々は無事であった。災いがその地のゆえに過ぎ越されたからであった。彼らが災いから守られ、奴隷から救われて出エジプトできたのは、ただ鴨居と門柱に塗られた小羊の血の故であった。小羊イエス・キリストの十字架の血こそが、私たちの罪に対する神の審判から私を救う唯一の希望であり、保証である。「望みは、たた主の血と義にあるのみ、いかでか他のもの頼りとなすべき」(聖歌236)

430年前、飢饉のために命からがらエジプトに身を寄せたイスラエルの民はわずか70人であった。この間多くの苦難もあったが、今や、彼らは女と子どもを除いて60万人にもなっていた。神の守りと恵みによって。その彼らが今エジプトを出、かつて神が先祖アブラハムに約束された乳と蜜の流れる地カナンに向かって第一歩を踏み出した(14:8)。神の時が到来し、神ご自身が寝ずの番をされ、彼らの先頭に立たれ、昼は雲の柱、夜は火の柱をもって彼らを導かれた結果であった。今日も、神は、選民イスラエルへの約束を忘れてはおられない。雲の柱、夜は火の柱をもって彼らを導かれた結果であった。今日も神は、選民クリスチャンへの約束を忘れておられない。雲の柱、火の柱なる聖霊の臨在と語りかけをもって、たえず荒野の道の先立ちとなって、約束の地へと導いてくださっておられる。このことを信じ、感謝しよう。

彼らはエジプトのラメセスを出立してスコテの向かい、紅海の岸辺ビハヒロテに宿営した。しかし、そこへエジプト王パロが国中の戦車、えり抜きの軍隊を率いてイスラエルを追い、背後に迫った。完全に逃げ場を失い絶体絶命の危機の中で、彼らは信仰を失い、恐れと不安の中でモーセと神につぶやいた。意気揚々と出立したばかりのイスラエルであったが、紅海とパロの戦車と軍隊を見て、愛なる生ける神をいとも簡単に見失った、なんともろい彼らの信仰であろうか。しかしはたして、自分に置き換えたならどうであろうか。

神はすべてをご存じの上で彼らを導かれた。それは紅海を真っ二つに分け、神の御力と栄光を示すためであった。神の栄光は、いつの時代にも人の行き詰まりを通して表されてきた。紅海を分けられた神は、私の信じる私の神である。